伝道開始 1904年(明治37)の伝統的なプロテスタントのキリストの教会です。
日本基督教団半田教会
TEL:0569-21-3761

3月26日 感話要旨(西館) 男性Iさん

2005年の夏のこと、一通の手紙が福岡から届いた。父の小学校時代の教え子からのもので、テレビで半田が紹介されているのをたまたま見て懐旧の情やみがたく筆を取ったという。手紙には、気弱で自信のなかった小学校3年生のとき、担任であった父にかけられた一言がその後のわたしの人生を決定づけたと書かれていた。わたしの父は戦前の半田農業高校を卒業後、京城(現ソウル)師範付属小学校の教諭となった。農業実習の時間に肥料の三要素を連呼したために生徒から「窒素・リン酸・カリ」と呼ばれていたという。当時小学3年生だったA氏に、ある日、父は「君は知っているのに答えない。先生が見ていてあげるから、元気を出して手を上げなさい」と言ったという。この背中を押してくださった一言のゆえに、現在のわたしがあるのだとA氏は言う。その後、ワシントン大学医学部教授、オックスフォード大学、九州大学名誉教授となったA氏をして、年月を経るほど、源三先生の有難さが身に沁みるという恩師の言葉とはなんであろうかと思う。手紙には「鎖の強さはもっとも弱い輪に支配される」という留学時代に出会った諺が引用され、これに肥料の三要素のいずれかを欠いても作物は育たないという父の言葉と重ね合わせたとあった。

省みてわたしにも、わたしの今日あるを支えた恩師の一言があったことを思い起こす。そして、信仰生活においても同様で「礼拝・聖書・祈り」の三要素のいずれかを欠いても、神さまの御心にかなった生活は送れない。聖書にある「それゆえ、信仰と希望と愛、この三つはいつまでも残る。その中で最も大いなるものは、愛である」(1コリント13:13)とある「愛」とて、他のふたつ、信仰と希望の協力がなければ、愛自身、その本来の役割を果たしえないのと同じであろう。(文 よ)