伝道開始 1904年(明治37)の伝統的なプロテスタントのキリストの教会です。
日本基督教団半田教会
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11月12日 感話要旨(戸田家) 女性Aさん

 昨年11月突然、穿孔性虫垂炎になり緊急入院した。初めて救急車に乗った。穿孔性であったこと、高齢であったことで手術は出来ず、抗生物質の点滴20日間で退院した。丈夫が取りえで結婚生活59年の間入院したことがなかったが、今回絶食絶水の苦しさを味わった。心の苦しみ、魂の苦しみはこれまで十分与えられてきたが、肉体の苦しみをこのたび与えられるのが神様の御心なのかと考えた。介護される身となって病人の心理も判り、今ならもっと親身になって介護が出来るのにと後悔した。20日ほどであったのに退院後は高齢ゆえの衰えが各所に現れた。消化力、歩行力、思考力がいずれも低下し、不都合が多く、思い煩うことが多くなった。ちょうどその頃、説教でニーバーの祈りを教わった。「神よ、変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気を与えたまえ。変えることの出来ないものについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものを識別する知恵をわれらに与えたまえ」。この祈りが思い煩う愚かなわたしへの神様の示唆であった。このたびの病気で変えなければならない生活をいつまでも引きずる愚かさを捨て、加齢にふさわしい生活を素直に受け入れる、そのための知恵を祈り求める日々である。感覚や行動の衰えを素直に認め、自由に使える時間を与えられていることを感謝して生きる方向へと転換するよう、この祈りから教えられた。弱る体力や知能への焦りではなく、受け入れる心を下さい、変えることの出来るものは何か、変えることの出来ないものは何か、勇気と冷静さ、素直さを下さいと祈る。残された時をどう生きるのが御心なのかを考える。そして感謝して老いることから美しい老いが生まれるのではないかと思わされる昨今である。(文 よ)